※ ここの文章は、★食品と暮らしの安全基金★2006/2/10 発行 第50号
のメールマガジンより抜粋しています。




●日本のチョコレートは、チョコレートではない?!

バレンタインデー目前。さまざまなチョコレートがあふれていて、選ぶのに迷ってしまいますね。
カカオの味のしっかりした、おいしいチョコレートも増えてきました。
でも、知ってますか?
日本で私たちが、チョコレートと呼んでいるものには、海外ではチョコレートと呼べないものがあるのです。



日本には植物油脂入りのチョコレートがいっぱい

ヨーロッパを旅行すると、空港やコンビニ、スーパーでなんとなく買ったチョコレートが、パッケージも極普通、
価格も安いのに、意外においしいことに驚きます。

日本で売られている、きらびやかなパッケージの、値段の高いチョコレートより、
ずっと、おいしかったりするのです。
これは、ヨーロッパのチョコレートの多くが、カカオの豆から取れるココアバターの割合が多いためです。
日本のチョコレートの多くは、ココアバターの割合が低く、植物油脂を入れています。

ココアバターは、チョコレートの味の決め手となるものなので、これが少ないと、
チョコレートらしい味わいも少なくなります。
日本や、アジア諸国で、植物油脂入りのチョコレートが多いのは、いくつか理由があるようです。

・ 口どけ、食べたときの感触、デザイン、形を重視したチョコレートを作るには、植物油脂が必要。
・ 日本やアジアでは、味よりも、めずらしさを求める消費者が多い。
・ 暑い夏に溶けにくいチョコレートを作るには植物油が必要。
・ アジア諸国には、植物油脂の生産国が多く、チョコレートに植物油脂の使用をやめると生産量が減ってしまう。



●国際基準は無視の日本の菓子業界

チョコレートに植物油脂を入れていいかどうかは、国際論争がありました。
舞台は、国連のFAO(食糧農業機関)とWHO(世界保健機構)のプログラムである、
コーデックス(国際食品規格)委員会。
ベルギー、オランダなど伝統的なチョコレートを大切にする国は、
植物油脂を入れたものはチョコレートと認められないと主張。

日本を含め、アジア諸国などは、植物油脂を入れたものをチョコレートと呼んでいいと主張しました。
2003年7月に、この議論が終結し、植物油脂が5%以下は、チョコレートと呼べるようになりました。

しかし、日本では、今でも、植物油脂が5%以上であっても、チョコレートとして販売されています。
全国チョコレート業公正取引協議会によると、国内の基準を見直す予定はないそうです。
日本の菓子業界は、国際基準を無視しているのです。
日本人は知らないまま、海外ではチョコレートと呼べないものを、チョコレートと信じて食べ続けています。



●本物のチョコレートを見分ける方法は?


残念ながら、日本で売られているチョコレートは、海外基準でもチョコレートと呼べるのかが、
明確には判断できません。

日本のチョコレートは、植物油脂の含有比率の規定がなく、ココアバターの含有比率を基準にして、
「チョコレート」か「準チョコレート」か決まります。

チョコレートは、ココアバターが18%以上、
準チョコレートは、ココアバターが3〜17.9%以内です。

海外では、ココアバターがどんなに多くても、植物油脂が5%より多いと、「チョコレート」とは呼べません。

準チョコレートは、ココアバターが少ない分、植物油脂の割合が高くなります。
海外でも「チョコレート」と呼べるものを選びたかったら、少なくとも「準チョコレート」はやめましょう。

チョコレートを選ぶのに、原材料表示も参考になります。
原材料表示は、多い順に書かれていますので、
「カカオバター」が前のほうに書かれているものは、チョコレートらしい味が強いものです。

「砂糖」や「ミルク」が、何番目に来ているかで、味を予測することもできます。

準チョコレートでも、個人の味覚によっては、おいしいものはあります。
でも、知らないまま食べるのではなく、きちんと知った上で食べると、その味わいも違ってきます。

輸入チョコレートがたくさん販売されるようになったのだから、早く、日本のチョコレートも
国際基準に合わせてほしいものですね。

おいしいチョコレートを選んで、ゆっくり楽しんでください。
くれぐれも食べ過ぎないように。


チョコレートについて